歴史は繰り返すというか、なんというか

なかなか面白い本を見つけた。

日本の戦争Q&A―兵頭二十八軍学塾

日本の戦争Q&A―兵頭二十八軍学塾

日本の戦争や歴史についての素朴な疑問に答えたり、勘違いを指摘した快作。
まだ全部読み終わっていないのだが、例えばこんな項目があって面白い。
日本史の教科書で習った「統帥権干犯問題」。これは太平洋戦争に走った際に軍部が「錦の御旗」に使った言葉である。憲法上、軍は天皇の統帥下にあるのだから政治かごときにとやかく言われる筋合いはない、というアレだが、これを最初に言い出したのはなんと野党の政治家で、それを軍部が「いい言葉、頂き、」と使うようになった、というお話。
ロンドン海軍軍縮条約の批准をめぐる論議での与党の言い分は「無尽蔵に作られて大きく差が開くよりは、比率でアメリカの軍艦数を縛ってしまった方が良い」というもの。これに野党の議員が軍縮問題を内閣が云々することは統帥権干犯に当たるとして攻撃したのが軍部に流用された、というのだ。そして感心してしまうのは、これを言ったのが、いまや兄ちゃんは野党で対案のない批判を繰り返し、弟は与党で不思議ちゃん発言を繰り出している鳩山兄弟の祖父、鳩山一郎自由民主党初代総裁だ、というのだ。
こういう歴史って、本当に面白い。