先見の明と賭け

今日は朝からとある国産大手製造業メーカーの取材で汐留に行った。
お題はその企業とブランドの海外進出の歴史と戦略で、中でも成長著しい中国に対する戦略に時間をかけて説明いただいた。外資系大手との競合、日本の成長期を模した仕掛けと、中国の国民性や国家との関係醸成の仕方など、様々な視点に話が及び、それぞれにきちんと数字と資料がついてくる。
もちろん出せない部分、苦戦していることなど、話していただけない部分も多いだろうけれど、まず中国進出にかけた時間と、労力と、コストを推し量るだけで本当に頭が下がるし、改めて「先見の明」と「賭け」は紙一重なのだな、と感じる。とりあえず会社から成功とみなされれば、先見の明があったね、という話になるし、失敗プロジェクトの烙印を捺されれば賭けに失敗して左遷、ということになるわけで。結論が出るのにかなりの時間を要する大きなプロジェクトを任されるのは、プレッシャーにもなるけれど、楽しいものだろう。うらやましい。
直近の現金化ばかり見ていても、先の先ばかり見ていても商売はうまく続かない。そのバランスが取れていたかの評価が本当の意味で下されるのは今から何年か先。今月の結果には数年前の会社の方針も影響している、ということが、毎日毎週積み重なっていくのだ、と、ちょっとマジメに考えてみたりして。