ちょっとマジメに

昨日TBSのお昼の番組に次世代ファーム研究所の堀代表が出演していた。例の、若年性糖尿病の少女がインシュリンをうたずに亡くなった事件の中核の問題人物である。事件の発端から非常に興味をもっていたので、お昼を食べながら珍しくテレビをつけっぱなしにしておくことにした。
テレビではコメンテーターのタレントさんやお医者様、弁護士の方が堀代表をひたすら責める、それを堀代表がのらくらとかわす、の繰り返しが展開されていたのだが、あえて誤解を恐れずに言うと私はタレントさんたち側の論点に違和感を持ってしまった。
彼らは「真光元なんか身体に何の影響もないんじゃないか、癌や糖尿が治るなんていんちきだ」という追求にかなりの力を注いでいたのだが、これは違うと思う。今回の事件の一番の問題は健康食品と宗教が結びついて、ただの健康食品を盲信することで本来続けるべき医療行為を親も納得で断ったこと。要は宗教上の理由から子供への輸血や薬の投与を親が拒否して子供が亡くなった、という以前の事件と本質は変わらない。
健康食品とは元々身体に害がないけど医学的効果が100%認められないから健康食品なのだ。癌も糖尿も軽ければ病気を自覚して食生活を改善し、お医者様にかかればなりを潜めることはある(若年性糖尿じゃなく、習慣性の糖尿ね)。その時治療と平行してキノコを飲んでいればキノコのおかげだし、茶色い粉を呑んでいればその粉と地球外生命体の菌のおかげなのだ。
糖尿病の上、肝臓癌で亡くなった父を持つ私は今でも思い出すことがある。父親の余命を伺いに主治医の先生にお会いした時、「アガリスクとか、ああいう健康食品って飲ませたらお薬投与の邪魔ですか?」と母親が質問すると主治医は静かにこう答えた。
「全く影響はありません。僕は医者だから健康食品が癌に効かないと言わざるを得ないけど、健康食品は患者さんの為にではなく、看取った後も生きていくご家族の為に納得いくまでやるべきだとお話ししています。」
そうか、と私はこの時目からウロコだった。その時以来、「癌が治った人がまれにいたりする」健康食品は患者のためではなく、高いお金を出してそれを買い、夫や父親に飲ませ、「自分の買った健康食品のおかげで2日半多く生きてくれたのかもしれない、痛くなく逝ったのかもしれない、」と残された家族が納得するための心の栄養剤なのだ、と思うようになった。
閑話休題
確かに堀代表は実に胡散臭いし、明らかに光合菌は嘘っぱち。それでも大勢が見ているマスコミを使って非難するのであれば本題を外してほしくないのだ。今販売されている全ての健康食品を疑うようになってしまったら肉親を看取る家族に救いがないのだから。