豚オタク

だんなさんのご両親はさすが自営業だけあってなかなかのお金持ちである。彼らは週に3度ほど夕方げんじょの様子を見に我が家にやってくるのだが、その時必ず「息子に食べさせてやってください。」と言って、日山の牛肉や近為の粕漬けといった高級食材を惜しげもなく置いていってくれるのだ。それはいつも野菜ばっかり料理している我が家にとっては貴重な動物性たんぱく質なのだ。
それが最近少し事情が変わっている。
先日げんじょの初宮参りをした際、一緒にお食事をし、夕飯の話になった。とにかく以前から「仕事をしている女の人は料理をしない」とご両親は思い込んでいるから、産休に入って私が毎日ご飯を作るようになったらどんなものをだんなさんが食べさせられているかと心配になったらしい。「お肉は少しは食べているの?」という質問をされたので、つい正直に
「多いのはお魚ですけど、お肉はだいたい豚か鶏を使ってますねえ。特に豚は冷凍で保存しやすいので重宝です。」
と言った私。これがご両親の脳裏に「この人は牛料理はしない」と、ばっちりと刷り込まれてしまったようなのだ。
この何日か頂いた食材は高島屋のソーセージとハム、日山のポークソテー用豚ロース、井泉のヒレカツ。いつも薄切りの肩ロースやバラ肉で肉じゃがや野菜炒め、冷やし豚シャブ等を作っている私の嗜好とはビミョーにずれる食材の数々が冷蔵庫に眠っている。特に加工品をほとんど使わない私には実はソーセージやハムは結構重荷。
お義父さん、お義母さん、じゃんじゃん食べるから前みたいな食材買ってきて〜!(魂の叫び)