ものもらい

実は私、昔から物をもらうのが得意である。よほど物欲しそうなのか、話しかけやすいのか、なんだか分からないが、見知らぬ人からもらった物から友人からのお下がりまで、書籍、ぬいぐるみ、電子レンジ、電話の権利(これ、違法か?)、エアブラシ、システム手帳といったオオモノからアイスクリーム、ビール、日本酒、蚊取り線香、計量スプーンまで、枚挙に暇がない。
さて、今日は家で仕事をしていたのだが、一件アポが入ってふらりとお客様に出かけていった。前回のアポを入院騒ぎですっぽかしていたので、お客様は大層心配して登場し、まず第一声は
「どしたのさ?」
ここまでストレートに聞かれれば仕方ない。げんじょについてつらつらと説明をした。その方は既にお子さんが1人いるので、やたらと詳しく、11週だったらもうこんなだね〜とか、つわりはないの?とか色々と盛り上がった。約1時間の営業(内20分はげんじょトークか)を終えて帰ろうとした私の後を傘を持ったお客様がついてくる。お出かけですか?と尋ねると、ちょっと、時間ある?と聞かれてついていくことにした。
お客様が入っていったのは近所の寿司屋さん。まだのれんを出していない。
お客様はお店に入るとカウンターに座り、明らかに仕込み中のご主人に
「お土産握ってよ。」
顔なじみらしく、ご主人も、はいはい、と折を手にした。この子ね、おなかに小さいのがいるんだけど、昨日出血しちゃったんだってさ。血を取り戻さなきゃいけないから赤いの握ってよ、赤いの。
・・・なんか論理は間違っている気がするが、気持ちはありがたい。ご主人も、そうだねえ、血ぃ作んなきゃねえ、と言いながら鉄火巻きやトロの鉄火巻き、にぎりもみんなまぐろで作っていく。まさか光物が好きです♪とは言えずに
「さあ、これで精つけてよ。」
とまぐろ尽くしを2折も持たされ帰路に。
うれしかったな〜。気持ちも、おなかも。きっとげんじょも喜んでいることでしょう。これはだんなさんよりたくさん食べなきゃ。(だから太るって、おい。)